EA21RカプチーノF6B搭載への道 

−F6Bカプチーノ製作記−

桜の木の下で・・・
 F6Bエンジンをカプチーノに搭載するまで6年という歳月はとても長く感じることでしょう。

しかし僕にとっては6年たっても現実、きっと時間は止まったままなのかもしれません。

今、桜の花を見ながら過去を振り返っています。

そのすぐ横にF6Bカプチーノが停まっている。

オープンな季節に入ってきました。

6年という時間、大人になるための過程として貴重な経験をしたと思います。

生涯の中で、二度とできない経験。

何をするにしても無駄なことは何一つないのです。

公認車検は何度も経験しましたが、F6Bカプチーノだけは特別でした

多くの人に出会い、別れもありそんな中で行ってきた作業。

クルマだけにとらわれた人生はつまらない。

決まりきった人生なんて面白いとも思いません。

僕にとって、今回のF6Bエンジン搭載というものが工学技術と技能の向上、発展の為の契機と考えています。

つまりはあらゆる技術と技能の習得は「あきらめないこと」「継続すること」にあるからです。

  今日は夜桜

誰もいない一本の桜の木の下で、6年前に感じたことを思い出していました。

今は良き思い出に変わってしまいましたが、隣に乗っていた大切な人が亡くなったこと。

最初は信じたくなかった。

まだ、どこかで生きているんじゃないかと。

どんなに考えても現実は変わらない。

その大切な人が亡くなった日は正確には分かりません。

聞きたくなかったし、知りたくもない。

人伝から知りました。

亡くなった日までは聞かなかった。言わせませんでした。

認めたくなかったからです。

聞いても、いないことには変わらない。

なぜ、F6Bカプチーノが生まれたか。

なぜ、最後まで作る事ができたのか。

なせ、走り出す事ができたのか。

きっと、大切な人の見えない力があったのだと思っています。

桜の花びらが僅かな風にのってきれいに舞っていきます。

あいつが応えている証拠です。

あいつが生きていたら、F6Bカプチーノが走り出す瞬間を一緒に見られたかもしれない。

どこかで見てるだろ。人間界でもあの世からでも望めば見えているはず。

ほんの少し甘みのある缶コーヒーを片手に、桜を眺めて。

こんな時は酒ですが・・・

日本に一台しかないクルマ。あいつと一緒に作ってきた特別なクルマ

6年間たった一人で作業してきましたが、心を支えてくれた大切な人。

これからは、僕一人にしかできないF6Bカプチーノ改良生活がスタートします。

  技術と技能

今の僕は、6年前から比べたら技術も知識も比較にならないくらい高い位置まで向上しています。

これは自分自身でハッキリと分ります。

だけど、技術と技能という言葉に当てはめた時、果たしてそうなんでしょうか?

F6Bカプチーノに頼るわけでなく、経験をこれからの人生に生かせば確実に技術と技能は高められます。

常に諦めることなく、広く浅くでもいい。

マイペースで何事も覚えてそして実践していけば「生きていく上」で必ず糧になることも実感、そして実践していくこと。

技術と技能という言葉に当てはめた時、常に進歩が必要だということ。そしてその進歩が正しいのか間違っているのか正確に分かることに気が付きます。

歳を重ねればできないことも出てきます。

今できることを行い後悔をなるべく少なくしたい。

寒い時も暑い時も、現実はそこにあったし「答え」もそこにありました。

やらねば、やり遂げなければ誰も助けてはくれませんし、エンジンもそのまま朽ち果てるだけです。

ただ単に自動車=工業生産物として捉えるのはやめて欲しい部分でもありますし、作り手のさまざまな思い、願い、苦労、そして野望もある。

そんな設計者、開発者、作業者の思いをくみとりながら僕は作業を行ってきました。

結局モノではなく、人が技術と技能を作り上げるということなのです。

  クルマが売れない理由(業界の人は何言ってもわかんねぇ〜でしょう)

僕は自動車業界(だけを見たとき)を蚊帳の外から見たら、何時までもつまらないことを考えていないで消費者を中心においたものづくりをして欲しいものです。

現在も「金」が中心、利益追求が前提で人間にひとつも優しくない。

地球環境に対してもクルマは悪です。

国の法律、規則で車両開発は適法だから良いとしている点も悪です。

大まかに言えば、地球環境下に人間が生きている点だけで一番エライと思う点

クルマがなくても生きていけるわけがないというある意味人質にした経営体質

こうした考えから誤っている。

ひとことで言えばケツに火がついた状態で「売らなければ死」とばかり思っている企業

もう、金、金の時代ではないと思うのですが。

車両開発についても消費者、ユーザーはおいてけぼりです。蚊帳の外

金のあるやつだけが発言権を持っている点も大いに疑問、是正しなければならない部分。

金もらえればそれでいい、という時代ではありません。

マーケティングした結果ですと言って、結局ワンボックスばかり作っている業界ではすでに致命傷。

エコカー作ってます。燃費が良い車ありますよ。ということが出ても同じ致命傷です。

特に軽自動車は酷すぎる。皆カッコが同じ。

もともと自動車、機械は人間が作っているのだから。

いまさら、クルマが売れないというのは理屈で理由になってません。

人間は「俺が作ったものを乗ればよい」と言われたら、買いません。

わかって無いね自動車業界は・・・。

保守的すぎませんか?特定のユーザーに流され過ぎていませんか?

三菱のように嘘に嘘を並べて恥じの上塗りばかりしている会社があれば、業界全体が発展しません。

所詮、赤字企業ですので地獄に落ちるのは分かってますが、意味のない会社ですので潰れて結構です。

自動車の赤字を関連企業が補てんしているわけですから。

大資本化するとさらに見えないものが、極端に見えてきます。

エコカーも確かに良いですけど、走る楽しさはカタチでも性能でも、電池でもないのです。

一般の方が滅多にクルマなんて買うなんてありません。そう易々と買い換えられるほど自由なお金ってありませんよ。

皆慎重に、打算的に選ぶ時代はもう嫌なのです。

リコールにしてもそうです。一度出ると大量に発生、隠せずに公表するしかない。

クルマは生活に必要だから買うだけ。

税金課税も大義名分から改正しないかぎり必要ないでしょう。(現在は消費財になっていますし、過去法は贅沢税解釈だから)

クルマは・・・生活の一部だということをしっかり認識しなさい。と声を大にしていいます。
(業界人は分っちゃいるけど、やめられないってね)

仕事に、遊びに、サーキットに使える。

そんなパーフェクトなクルマなんて存在しません

クルマだけに限って言えば、僕はどんなに古かろうが、新車時と同じ最大トルクと走りが実現できていれば、今のままでいい。自分自身が当時の新鮮さをよみがえらせる技術と技能を持っているから。

色褪せることの無いクルマは90年代に出たものが人間臭くて良い。

新しいものが全てよいなら、すぐ買います。

現在は、相当法律の勉強をしてきてお前らの実体と悪態をよく理解しております。

そのうちある関係者と法廷でまた会う。その時が楽しみ。

クソK6Aに翻弄された結果、F6Bエンジンを搭載するという顛末があり

当時のスズキでは、K6Aは大失敗作。

コンピュータセッティング、スロットルボディ、エンジンボアストローク、点火系の選定からミスなのです。

そこをコンピュータセッティングで乗り切ろうとした点に大きな疑問があります。

その点、F6A、F6Bはアナログでありながら高耐久

というより、これが普通

重くなる欠点を高耐久で補っている点です。

重量を軽くする=コストダウンにつながるわけがない。

F6AもK6と同じであの独特の「プルプル・・」は直りませんが。

メンテナンスする人の能力では直せない。

ディーラーでは絶対的に無理です。

お客様相談室の人たちは懇切丁寧、ユーザーを多少でも大切にしていると思いますが

これも偽装対応しているだけで、生活のために行っている対策対応と思います。

業界=限界かと。

「カプチーノ大切にしてくださいますようお願いいたします」と言われたことも評価に値しますが

企業価値のない会社ほど、吐き捨てられて当然なのです。

クルマのことを褒めたところで、クルマを育てたのは誰か?そして購入者は誰?そこがスズキは分かってないのよ。スズキ俺1番、客2番に思う会社だ。要するに、スズキは大した会社じゃないってことさ。(もはやアテにもしてない)

表示ソフトが変わるととても面倒。ああ、面倒。IE使えねぇ〜!時代の変化に追従できんボケソフト。アホ。こっちはわざわざデータ軽くしてんのによ。なるべく表示寸法も変更してんのによ〜。ああ使えん。このソフト。
隣の画像は今後のスペアパーツ製作を考え、図面化したもの。こうした積み重ねがクルマを一台製作する上で強力な武器になる。CADはクルマ、機械好きには大変有効なツールなのです。
上の写真は筑波サーキット走行テストドライブ時のものです。走行フィールはかなりの好印象。
カプチーノ特有の性能はF6A以上に発揮します。
カプチーノはコーナリングが楽しい。アクセルコントロールが楽しい。F6Bの高回転型エンジンの独特なサウンド、乗り味は3気筒エンジンでは真似できない。僕はたくさんのパワーは望まない。末永く楽しくドライブフィールを味わうには現状のパワーとトルクそれだけで十分です。やはり途切れないトルク!アクセルレスポンス!コレに尽きます。



  F6B搭載計画第一期工事を終えて・・・

今年もあと少しで終わりです。F6B搭載計画立案から、第一期工事完了まで6年、そして実装して走行後約2年の歳月を費やし現在に至ります。

僕の心の中にある気持ち、それはF6Bエンジンへの魅力は消えないということです。

2審判事に言われたこと(こいつも保身のために法解釈を誤る失態をしている)

「貴方はクルマを愛しているのですね」

その言葉で救われました。

クルマを機械を愛する人間として最大の勲章です。

F6Bエンジンとカプチーノ

これからも悪魔的で洗練された特有の魅力は消えることはありません。

エンジンルーム内のスペースもF6Bを搭載したことで見た目外観に加えて重量バランスも絶妙なフィーリングになっていることが分かると思います。

K6A、F6Aでは小さすぎるエンジン。つまり普通車用エンジン

排気量1000〜1300ccを搭載許容できるよう設計したと容易に判断できます。

  F6Bカプチーノの魅力

カプチーノ購入当初から車体に4発エンジンのF6Bが載っていたらとても楽しい車だったろうと思っていました。

何故、スズキで実現させなかったのか、分りました。

これは、作った者だけが知ることの出来る真実です。

今後、F6Bに対する期待も大きくなります。

F6Bエンジンをカプチーノに搭載して

車自身の良さ、価値観をさらに高めたいと思っています。

そして今、独力でF6Bをカプチーノに搭載する事ができたことを大変うれしく思っています。

F6Bエンジン実搭載から仮完成までの工期は9ヶ月以上

その間搭載を諦めようと思ったこともありました。

くじけそうになっても、諦めない気持ちがF6Bカプチーノ誕生となった一つの神話を生んだと思います。

一般の方々は、様々な制約環境が障壁になってそう簡単にはエンジンを載せることはできません。

皆さんがよくお使いになるホームセンターに売っている電動工具だけでエンジン搭載したのです。

特別な工具は一切使っていません。

この計画の真意はF6Bエンジンを搭載することによって制約のある環境下に自分自身をおいて整備技術、加工製作技術がどれほどのものか、確認したいと考えたからなのです。

ここに技術と技能という言葉が、かすか遠くに見えてくるのです。

  クルマの居場所

日本特有のクルマ文化ともいえる、軽自動車の世界。この世界は奥が深く、特殊な文化といえます。

軽自動車は現在世界でも注目される車種になっております。特にEA21R及びEA11Rカプチーノはファンが多くいることもあり、隠れたスター的な存在であることは間違いないでしょう。

それをあえて、異種エンジン搭載という自分の望む仕様に変更し公認車両として一般公道を自然なスタイルで走る。

普通の生活スタイルとして楽しむ。

軽自動車の世界は普通車よりも過酷な世界。

エンジンオイルひとつみても考え方が違うものなのです。

普通車レベルでの異種エンジン搭載は、部品単体重量こそ重いですが、搭載術そして整備は容易な部分が多く、気分的に楽です。

今までの僕自身の経験でクルマ全体をみてみると規格や機能的な制約は軽規格よりもゆるく、そして安い。

コンパクトサイズになればなるほど、作り手の技術と技能が必要になってきます。

小型化というのは言葉だけでは伝えられないものなのです。

それをあえて軽自動車世界に入り込み、4気筒のF6Bエンジンにこだわり作業を最終レベルまで到達させることができたことを誇りに思っています。

自分に課した制約のなか、最低限の工具レベル以下、投資力もほぼゼロの状態からよく作業できたものだと思います。

個人レベルで誰でも簡単に出来る事ではありません。

ノーマルのEA11RカプチーノやEA21カプチーノはF6AもしくはK6A直列3気筒エンジンが搭載されていますが、実際乗っているユーザーさんは4気筒エンジンが乗っていたらいいのにと思うこと、希望、要望が数多くあることに驚かされます。

4気筒エンジンのF6Bエンジンだからという価値的なものもあるでしょう

僕からみたスズキエンジンの思うところは

F6AやK6Aは渋い回り方、ガサツな回り方をするのがとても好きになれない。

チューニングしてもその基本は変わらない。

僕のクソK6Aは特に最悪だった。いくら直しても機嫌を悪くする。

今となってはK6Aは部品にとられ、一部修復され再利用されて現在は廃棄されたと思います。

最初から感じる「悪い品物」はあります。

F6Bに変わってから、その感じは一切ありません。

その感じを消したのは僕自身です。

楽しさをもったクルマに生まれ変った。

必要最低限という限られた整備加工工具のなかでどれだけの最大限の人的パフォーマンスを見せられるか?

一言でいえば、自分自身との闘いでもあります。

もっと、楽で容易な方法はいくらでもありました。

だけど、それを選択してしまうと、意味の無い投資に終わってしまう。僕の本当の力は試せない。

これだけは絶対に嫌だったのです。

自らの手でF6Bエンジンをカプチーノに搭載する。

自分自身が証明してみせれば必ず何かにつながる。何事にも強くなる

そう思ってトライしたのです。

多分この思いは現実のものになったと思います。

本気で楽しい毎日を過ごさせていただきました。

今回の経験を生かしていけば、新たなアイデア、発想力、加工技術を武器にしてクルマのステアリングに触ることができる。

僕の意識の中にある進歩と退化を繰り返していく事が重要、大切だということを実感したのです。

何でも楽しむことが大切ということ。

クルマはエンジンが命!というものの、エンジンだけでは走りません。答えはクルマ全体のトータルバランス。

エンジンだけを言えば、つながりがなく湿った音しか出ないK6A、また最近の純正エンジンでは僕の考える技術領域には達成できない

これで地球環境を汚さずに走り続けることができればと思うと悩ましい。

K6Aには特別オプション=エンジン起動時のあの音だけでもエンジン寿命がどんどん尽きていく

そんな姿すらも見たくない

外観がボロかろうが、走りが甘いといわれようが、作る側は妥協を許さない方法で作り上げるのが本来の姿。

限られた数多くの制約の中から答えを「見つける」

少しだけかもしれませんが、技術者の本質を覗かせてもらったと思っております。

今となってはカプチーノは古いクルマ?存在自体が古い?時代遅れ?

僕はそうは思わない。

色褪せることを防止するのは誰ですか?ってことです

色褪せませんよ、そう簡単にはね。

自身のモチベーションを保つのもオーナとしての責務ではないか?

新しいものが全てではない。

 注意事項
この搭載計画を利用して車両不具合が生じても一切の責任を負いません。
作業整備加工他等は一切の行為は全て自己責任でお願いいたします。
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